| 第 1480 回例会記録 No．３８ 平成 18 年 6 月14日 司会： 本間 孝 編集： 宮﨑 敏博 |
２．ロータリーソング 「それでこそロータリー」 ３．お客様紹介 青木 伸翁 様 小宮山大介 様 ４．会長挨拶 ５．幹事報告 ６．委員会報告 ７．外部卓話 「職業奉仕の原理」 ８．スマイル報告 ９．出席報告 |
鮎の友釣りは強い鮎がテリトリーを持って餌場を独占 し、他の鮎がそのテリトリーを侵すと、猛然と攻撃をす るという、鮎の習性を利用した釣りのことであること は、皆様良くご承知のことであります。 ところで、自分の餌場を独占して、自分だけ育ってい こうとする鮎たちの生態を思うとき、自由競争原理の支 配する私たちの職業社会は、果たして如何なものであろ うかと思うのであります。自分だけが独占をしようとし て失敗した例は、時として耳にするところであります。 親会社から自分の生産能力を超える発注を受けた下請け 業者が、自分だけでその注文に応じようと、銀行融資に よる過大な設備投資をした後、親会社からの発注を止め られる。親会社に泣きつくと、それでは資金援助をしよ うといって、結局は企業買収になるということがありま す。時々ある話ではありますが、大資本が悪いわけでは ありません。下請け業者が同業他社との共存共栄を考え ず、自分だけが儲けを独占すべく、過大な設備投資をし たことに問題があったからであります。 これに対し、有名な銘菓店で夕方早い時間に商品が売り 切れる。作ればいくらでも売れるのでありますが、自分 の製造能力、管理能力の８０％の商品しか作らない店が あります。何故ならば、それ以上作って、もし一つでも 粗悪品が出来ると、顧客に迷惑をかけ、引いては自分の 信用が傷つくからであります。良質な商人は、顧客に対 して、絶対的な責任を負いますから、決して商品の質を 落としません。これが、職業倫理であります。 我々、資本主義社会では自由競争が基本原則になって おります。これは同業者との関係においては、まさに食 うか食われるかの関係にあることを意味いたします。し たがって、他人のことを考えていると自分が食われてし まう、｢倫理｣など考える余地は無い、という考え方も成 り立つだろうと思います。 しかし、ロータリーは、この自由競争を前提とした職 業奉仕を提唱しているのであります。それは、自由競争 を前提とする経済社会において、倫理の裏打ちのある企 業活動は永続的に安定した利潤を獲得し、必ず勝ち抜い ていくであろうということを、原理論的にも、実践論的 にも実証していくものであります。 殊に、同業者関係や下請け関係において、ロータリー は常に倫理を求め、共存共栄の道を模索すべきことを説 いているのであります。 したがって、少なくともロータリーの世界では、鮎た ちの社会の如き事態は起こりえないと思うのでありま す。 過去を顧みて、人が金を求めて失敗した例は枚挙に遑が ありません。しかし、心を求めて失敗したことは、未 だ、その例を聞かないのであります。 ところで、ロータリーの職業奉仕は難しいとか、解り にくいという話をよく耳に致します。今日は、その原因 が何処にあるのかということを皆様と考えると共に、職 業奉仕を理解する一助として、職業奉仕の基本原理につ いてお話ししてみたいと思います。 職業奉仕という言葉は、ロータリーの専門用語であり ます。一般の人たちはこのような言葉は使っていないの であります。しかし、ロータリアン以外でも職業奉仕を している人はたくさんおります。 考えてみると、この職業奉仕という言葉は、大変奇妙 な言葉であります。何故かと申しますと、職業というも のは、私たちの生活手段であり、いわばお金を儲けるた めの手段であります。したがって、職業は、自分のため のものであります。ところが、奉仕というのは、世のた め他人のためのもの、自分以外の人のために何かをする ことであります。自分のためのものである｢職業｣という 言葉と、人のためである｢奉仕｣という言葉、エネルギー の方向が全く正反対の二つの言葉が結びついて、｢職業奉 仕｣という言葉が出来上がっているのであります。 したがって、自分のためのものである職業が、どうして 人のためになるのか、この一点が解らないと、職業奉仕 は理解できないので、ここのところが、職業奉仕が解り にくいという原因の一つではないかと思うのでありま す。 ここで、職業というものをもう少しリアルに考えてみ ます。 例えば、労働を売って金銭(賃金)を受け取る。物を作っ て、物を売って金銭を受け取る。製造、卸、小売がこれ であります。また、知識を売って金銭を受け取る。更 に、サービスを売って金銭を受け取る。このように、全 てのことは、｢売買｣という枠組みの中で考えられるもの であり、これらは全て、別の言葉で言うと、所謂、「打 算」の世界であります。 即ち、人々が、等価交換の原則の下で、常に何らかの 価値を求めて、打算によって行動をする分野でありま す。 このように考えますと、職業というものは、元来、打 算の世界にあるものであり、したがって、奉仕というこ とを考える余地はないと、考えることは至極自然のこと であります。ロータリー以外の世界では、これが通説で あります。 ロータリアンの中にも、職業を営むことが同時に奉仕 になるということはあり得ないと考える人もおられるの であります。果たして、それでいいのかというところか ら、職業奉仕というものを考えていかなければと思うの であります。 確かに、職業というものは、全て打算の世界にあると割 り切って考える限り、職業をもって奉仕と考えることは 出来ないでありましょう。 しかし、ロータリーは、職業を営む心も、世のため他人 のために奉仕する心も、同じ一つの心、言い換えると、 世のため他人のために奉仕する心と同じ心をもって、職 業を営むべし、ということを説くのであります。 利潤追求、所得獲得のために考えるエネルギーと、世の ため人のために考えるエネルギーとはその向かっている 方向は異ってはおりますが、その行動を起こす基になる 心は、一つの心であると考えるのであります。 したがって、この考え方では、利潤追求、所得獲得の 「過程」が問題となり、そこに必然的に｢倫理性｣を要求 することにならざるを得ないのであります。 では、どういうところから倫理の問題を考えるべきな のでありましょうか。私たちの生活は、その全てが打算 によって成り立っているわけではありません。 例えば、夫婦の関係の様に、私のものはあなたの物、あ なたの物は私の物、という考え方が支配する分野があり ます。そこには、一切の打算がありません。しかし、限 りなき、「愛情」があります。この、愛情の世界は、金 銭という尺度では計りえない程価値のある尊いものであ ります。 ところで、打算の世界では、等価交換の成立する限り において、人と人が関係付けられていますが、一旦、交 換が終了すると、その人間関係は、貸し借りなしに清算 されて、後には何も残らないのであります。 例えば、一万円の商品と一万円の貨幣が交換されること により取引は終了し、売主、買主の間は、一切貸し借り なしに清算されて、後には何も残らないのであります。 ところが、愛情の世界では、例えば、妻が親から貰っ た金銭を夫のために提供し、それが返してもらえなくな ったとしても、それを、裁判所に訴えるということはあ りません。その限りにおいて、清算されないままに「因 縁」が残っています。 これを、打算の世界から見れば、まさに損をしたこと になるのでありますが、それを損とは考えないわけであ りまして、即ち、打算的思考の圏外にある思考でありま す。そこには、一切の打算はありませんが、限りなき愛 情があるのであります。 この関係を職業の分野に投影してみますと、宗教の世 界もこれと同じであります。僧侶は、ただ、只管に仏の 道を説きます。それは、お布施を求めるために説くので はありません。人々に対する限りなき愛情をもって、 人々の悩みを救うために、只管、仏法を説くのでありま す。 その結果として、人々が感謝の心を持って、幾許かの お布施を差し出せば、感謝の心をもってそれを受け取る のであり、それは結果の問題であります。 したがって、偶々、人々が貧しくて、お布施を差し出 すことが出来なければ、 それはやむを得ないことでありまして、それを僧侶のほ うから請求すべき筋合いのものではないのであります。 したがってまた、この関係は清算されないで、僧侶の生 活は、その分だけ社会に対して貸し方になっているので あり、その故にこそ、僧侶は、世の中から尊敬と信頼と をもって報いられるのであります。 これは宗教家に限ったことではなく、歴史的にみて、宗 教即ち神学から派生して出来た、哲学・法学・医学等全 て然りであります。 ロータリーはこれらの分野の職業を一括して Professionと称し、利潤追求を第一義とするBusinessと 区別しているのであります。したがって、元来、宗教家 をはじめ、大学教授、医師、弁護士等は、神から与えら れた原理によりまして、人々を救済することをもって第 一義とする職業であると考えられているのであります。 実は、職業奉仕というものは、この愛情の世界の考え 方をもって、打算の世界をコントロールしていこうとい う考え方であります。Professionの論理をもって Businessをマネージすると言ってもよいと思います。こ れが、職業奉仕の基本原理であります。 愛情の世界は、人間関係が清算されないで、常に人と 人とがあるものによって因縁づけられている世界であ り、色々な出会いがいつまでも尊重されていく世界であ ります。そういう世界から「尊敬と信頼」が生まれてく るのであります。 実業家にとっては、尊敬と信頼に相当するものとし て、｢信用｣というものが生まれてくるのであります。こ の信用があればこそ、実業家は、長期的に安定した利潤 を獲得していくことが出来るのであって、個々の取引が 常に貸し借りなしに清算されていく打算の世界からは、 尊敬も、信頼も、そして信用も生まれてこないのであり ます。 ロータリーの職業奉仕論が、売買について、商品と代 金という、目に見えるものの交換と同時に、「満足と感 謝」という目に見えないものの交換が無ければならない と説いているのは、まさにこの点を指しているのであり ます。 世の中の大成した実業家は、必ず愛情の世界の論理をも って企業をマネージしているといっても良いと思うので あります。 要するに、ロータリーは、倫理運動の立場から、愛情 の世界に生きる心、即ち、世のため人のための心をもっ て職業を営んでいると、その結果として「信用」という 保護膜に包まれて、長期的に安定した利潤を着々と獲得 する強靭な体質に企業を作り上げることが出来ると説く のであり、その原理の総体を「職業奉仕」と呼んでいる のであります。 では、この基本原理をどのように具体化して実践に移せ ばよいのでしょうか。これについて、ロータリーは１９ １５年のサンフランシスコの国際大会において、１１箇 条よりなる「全分野の職業人を対象とするロータリー倫 理訓」をもって宣言したのであります。 昭和３年、満州の大連ロータリークラブの古沢丈作氏 が、アメリカにおけるロータリー思想の源流を探求し て、この１１箇条のロータリー倫理訓の存在を知り、こ れを熟読玩味して自家薬籠中のものとし、改めて日本語 で５箇条に纏め上げたのが「大連クラブのロータリー宣 言」であります。 このロータリー宣言は、日本ロータリーの始祖米山梅 吉ガバナーが昭和４年の国際ロータリー第７０区第一回 年次大会において、古沢丈作氏をロータリアンの鑑であ ると激賞されるところとなり、ロータリー倫理訓と共 に、戦前の日本のロータリアンの職業奉仕実践の道標と なっていたものであります。 職業奉仕の基本原理の具体化として重要なことは、１ ９２２年のロサンゼルスの国際大会において、国際ロー タリー定款と標準ロータリークラブ定款とが採択され、 その中に、両者に共通の綱領が規定されるに至りました が、ロータリーかくあるべきものと考えるという綱領の 本文に「ロータリーとは、企業の根底に奉仕をおくべし とする理想を提唱するクラブ活動のことである」旨を宣 言したことであります。 これはまさに、職業をもって奉仕と観ずる職業奉仕の基 本原理をロータリーの綱領において提唱したものなので あります。 以上お話したことを、もう少し具体的に言いますと、 職業を取り巻く取引関係、企業内管理関係等、ロータリ アンの全ての職業関係において、「行動に愛をこめる」 ということであります。 ここで一つの物語を紹介いたします。日本カトリック 学校協会会長、渡辺和子先生のお話であります。 先生は、２９歳でカトリックの信仰に入られ、修道女 としてボストンに渡られたのでありますが、夏のある 日、食堂において、１３０人の夕食のために、皿とナイ フとフォークをテーブルにセットする仕事をしておられ ました。そのとき、先輩のシスターが先生に、「シスタ ー、貴女は、今、何を考えていますか」とお尋ねになり ました。先生が、「何も考えていません」とお答えにな ると、その先輩のシスターは厳しい顔になって「貴女 は、時間を無駄にしています」といいました。先生が， その意味を理解しかねて怪訝な顔をすると、その先輩 は、「お皿とナイフとフォークを並べるのであれば、や がてその席にお座りになる人のために、何故、心の中 で、『お幸せに』と祈りながら並べないのですか。何も 考えないで、ただ漫然と並べるということは、時間を無 駄にしています。」と諭されたそうであります。 渡辺先生は、私は、今まで、如何に効率的に仕事をする か、ということを教えられてきましたが、時間に愛を込 める、仕事に愛を込めるということは初めて教わりまし た。時間に愛を込めても、込めなくても、お皿は同じ速 さで、同じ姿に並びます。しかし、目に見えない大切な ものが込められるか、込められないかによって、世の中 は大きく変わるということ、それは一つには、お幸せに と祈って置いたお皿で召し上がった方は、必ずお幸せに なるという信仰であります。 ただ、それよりも私にとって大切なことは、私が救われ たということ、つまり、私にとって、つまらない仕事は なくなったということ、つまらない仕事、雑用だと思っ ていた仕事が実はそうではない。雑用は、私が仕事を雑 にしたときに雑用になるということを教えられました。 救われたのは私であります。 つまらないと思って皿を置く、お幸せにと祈って皿を 置く、外から見た限りは全く同じに見えます、かかった 時間も変わらない、しかし、仕事の量は同じでも、仕事 の質が変わっている、ということはその人自身が変わっ たということであります。このように述懐されたという ことです。 行動に愛を込めるということは、言い換えれば、職業 を倫理的に営むべし、倫理的な商売を営むべしというこ とであります。 １９１５年、「全分野の職業人を対象とする職業倫理 訓」を宣言し、ロータリーの個人倫理が確立され、それ 以来、ロータリーは倫理運動として、隆々と栄えてまい りました。 しかし、昨今、ロータリーの個人倫理にかげりが見えて まいりました。最近の国際ロータリーは、その理論提唱 を見ましても、倫理を提唱するというよりは、むしろ、 弱者救済、いわゆる人道主義的な奉仕活動とか、ロータ リー財団、そして、ロータリーの拡大、会員増強、こう いう点に重点を置いているかに見受けられます。確か に、このようなことはロータリーとして避けては通れな いものでありますから、これらを実践することも大切な ことではあると思います。 我々は、先輩ロータリアンが、試行錯誤を重ね、あると きは、ロータリー分裂の危機さえあったというような議 論を戦わし、確立した「職業奉仕の思想」を、もっとも っと大切にしていかなければいけないのではないでしょ うか。 ポールハリスが、その著書「This Rotarian Age」の中で ｢奉仕の理想｣について、いろいろな考え方があります が、私は以下のように考える「奉仕の理想とは、物事の 最初に『奉仕』を置くことである」と言っております。 言い換えると、何かを始めるときに、先ず、世のため 人のためを考えてから 行動すると言うことであります。 それを、地域社会で行えば社会奉仕に、国際社会で行え ば国際奉仕に、職業社会で行えば職業奉仕になるわけで あります。 ロータリーは、例会において、親睦のうちに、会員同士 が切磋琢磨し、お互いを磨きあいながら、「奉仕の心を 作ります」。そして、その作られた奉仕の心を持って、 ロータリーの外で、「奉仕の実践」をする。これがロー タリーの基本ではないでしょうか。 |
本日お世話になります。 越谷東ＲＣパスト会長 青木伸翁様いつもお世話になっております、本日の卓話よろしくお願い致します。安井晃 青木伸翁様、本日はごくろうさまです。 増田英樹小宮山大介様本日はようこそ。 増田英樹 青木様本日の卓話よろしく 中村義雄・黒田幸英 すみれコースのグランドシニア選手権で3位に入りました。 眞々田照雄 欠席勝ちで申し訳ありません、大仕事も峠を越したのでこれからは出席するように努力しますのでよろしく。 西本好郎 仕事の都合で欠席させて頂きます。本日の卓話で弟がお世話になります。前回欠席、今回早退。 上床和秀先週は結婚記念のお祝い誠に有難うございました 。 松﨑義一世界平和の為に 石井知章・堀野眞孝本日早退 高橋正美本間孝出席会場運営委員長 |
会員数 50名 出席者数 33名 欠席者数 11名 出席免除数 6名 出席率 75.0 ％ |
|
|
